文房具の取り扱いが多い雑貨屋さんでアルバイトしていた時、業務の一つに試し書きの紙の交換があった。仕事に慣れるにつれ、気になった試し書きを私はこっそり持ち帰るようになった。書き味や色味の確認のために書かれた線には、手の貧乏ゆすり的な書き手の無意識が現れ、面白さを感じたからだ。この作品はその持ち帰った試し書きの線をぬいぐるみに仕立てたもの。線という二次元的なものを三次元に持ち込むにあたり、インクの質感やかすれ方などの要素を自分の触覚的な解釈でぬいぐるみに落とし込んだ。
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