「TOKAS-Emerging 2024」

奥野智萌個展「新身訓練:I want to see my back.」

2024/4/6-5/5
@トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)

撮影:加藤 健 画像提供:Tokyo Arts and Space

【会場入口掲示ステートメント】

この展覧会は、うさぎの知覚する世界を想像する新しい身体を手にいれるための新身訓練の場としたいと考えています。それは広く言えば他者への生成変化を試みる分裂的自我を受け入れようとする訓練の場にもなるでしょう。

重要な主題は〈うさぎが知覚する世界はいかに想像可能か〉ということであり、〈うさぎが知覚する世界はどういうものか〉ではありません。他者の知覚する世界を想像するために私は、その世界のかたち(答え)をそのまま描くのではなく、かたちになる前の状態やかたちの周りにあるもの(問題)をつくろうとしています。 そのため、本作の狙いは展示作品をインターフェースに想像してもらうところにあります。このとき、うさぎの知覚する世界は複合的な模型のようなものとして鑑賞者の中に立ち現れることでしょう。


【配布リーフレット文章】

「モチーフのデフォルメ」と「通訳」をキーワードに、漫画をはじめとするさまざまなメディアを用いて、自身と異なる身体を持つものが見ている世界について創作活動を行う。それは、奥野が中学生の時に脊椎側弯症と診断され、自身の身体に異形性を感じてきたことに由来している。
本展では、360度の視野を持つというウサギが知覚する世界を描いた銅版画を中心に、映像や立体作品を発表する。身体を離脱可能な「からだ」とし、自身と異なる身体を思索する。