《弔い(パンチ穴の残骸の埋葬)》 (2016)

 気づかぬ間に私の穴あけパンチには大量の穴の残骸がたまっていたらしく、ある日プリントをファイリングしようとパンチングするとその瞬間に穴あけパンチは爆発、季節は夏、私の部屋にスノードームの如く穴の残骸 たちが降り注いだのだった。捨てようと思いかき集めてみたものの、新しい穴から何年も前の穴の残骸の蓄積のことを思うとクラクラしてきて、ただ捨ててしまうのではなく責任を持って処分しなくてはいけないという衝動に駆られた。丁度その頃母に貰った大きな緩衝材を処分しようかどうしようか困っており、とりあえずプチプチ潰して遊んでいた。潰した所をよく見るとぽっかり空洞のようなものができており、死んだペットの魚なんかを土に埋める前みたいだと思った。それを思った時からこの緩衝材がお墓の集合体に見えてしかたなくなった。試しにこの処分待ちをしていた穴の残骸を1つ埋葬してみると、どちらもモノとしての役目という呪縛から解き放たれ、居心地が良さそうに見えた。これが様々なものを弔うきっかけとなった。