うちらもみんな粒でできてる
2023-
2022年の秋に、脊椎側弯症で背骨の手術をしてから、術後の安静のために満足に身体を動かすことができなかった時期に、それでもできる制作として取り組み始めた作品です。大好きな紅茶に溶かす角砂糖を、腕から手に乗せていきます。ただでさえ立方体として不完全な角砂糖を乗せていくことで、有機的なラインが浮かび上がります。形を保った粒の集まりとして、自分の腕と手の物質性を見つめる作品です。これは新しい身体に合わせた新しい身体を解釈するためのバランスを見つけていく作業でもありました。
この作品は、2023年に角砂糖を手の甲に乗せる様子の記録写真を標本箱の中に入れて展示する形から始まり、2024年には高さ約2m超えの大判印刷作品として発展してきました。展示のたびに撮影しなおしており、この作品の制作過程は過去の自分の再解釈行為そのものとなっています。
展示記録